鑒識かんしき)” の例文
姫は生れながらの官能に養ひ得たる鑒識かんしきをさへ具へたれば、その妙處として指し示すところは悉く我を服せしめ、我にその神會しんゑの尋常に非ざるを歎ぜしめたり。
右刀ハ曽而かつて後藤も来国光と鑒識かんしき致候。御高鑒被下度候。先ハ右用向迄如此候。早々。
それから毘陵びりょう唐太常凝菴とうたいじょうぎょうあんが非常に懇望して、とうとう凝菴の手に入ったが、この凝菴という人は、地位もあり富力もある上に、博雅はくがで、鑒識かんしきにもけ、勿論学問もあった人だったから
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
余念もなく美か美でないかと鑒識かんしきする事が出来る。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
万象ヲ鑒識かんしきスルノ興奮ハ視官ニ於テ最盛ナリ。
呉秀三先生 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)