鑑定めがね)” の例文
すべてカアネエギイのやうに自分の腕一本で事業しごとに成功した男は、得て自分の腕を自慢する余り、自分の鑑定めがねをも信じたがるものなのだ。
今にあれはえらい人になると云っていたが、十指じっしの指さす処鑑定めがねは違わず、実に君は大した表店おもてだなを張り、立派な事におなりなすったなア
「大ありさ、江戸は広いやね。——綺麗な女房の方は俺の鑑定めがねじゃ納まるまいが、大きな仕事ならちょうど良いのがあるぜ」
銭形平次捕物控:124 唖娘 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
そこはね、性理上も斟酌しんしゃくをして、そろそろ色気が、と思う時分には、妹たちが、まだまだ自分で、男をどうのこうのという悪智慧わるぢえの出ない先に、親の鑑定めがねで、婿を見附けて授けるんです。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「大ありさ、江戸は廣いやね。——綺麗きれいな女房の方は俺の鑑定めがねぢや納まるまいが、大きな仕事なら丁度良いのがあるぜ」
銭形平次捕物控:124 唖娘 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
一同「お鑑定めがねの通りと存じます」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
もったいない事だが、あれはお上のお鑑定めがね違いですよ、——親孝行なんてとんでもない事だ。たった一人の母親を
「柴井町の親分、それはお前さん、鑑定めがね違ひぢやありませんか。辰五郎はお常の阿魔に氣があるにしたところで、人を殺すやうな大それた事の出來る人間ぢやねえ——」
「柴井町の親分、それはお前さん、鑑定めがね違いじゃありませんか。辰五郎はお常の阿魔に気があるにしたところで、人を殺すような大それた事の出来る人間じゃねえ——」
「三千両の事はともかく、和助を殺したのは俺じゃない、親分、それは鑑定めがね違いだ」
鑑定めがね違いは誰にもあることだ。それに、徳三郎を臭いと思ったのも、お品さんの言葉があったからだよ、お前の手落なもんか。旦那の前だが今さら十手捕縄をお返しする歳でもあるめえ。
とんでもない、そればかりは、親分の前だが、鑑定めがね違いというものだ
「ありや鑑定めがね違ひですよ、親分の前だが」
「ありゃ鑑定めがね違いですよ、親分の前だが」