鋳抜いぬ)” の例文
旧字:鑄拔
殺された福島嘉平太はまだ五十そこそこ、武芸で鍛えた身体は、鉄で鋳抜いぬいたように見事なものです。
下女は何とも云わずに御辞儀おじぎをして立って行く。白足袋しろたびの裏だけが目立ってよごれて見える。道也先生の頭の上には丸く鉄を鋳抜いぬいた、かな灯籠どうろうがぶら下がっている。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)