鉢合はちあ)” の例文
といったので、五十川女史の答えようとする言葉と、叔父のいい出そうとする言葉は気まずくも鉢合はちあわせになって、二人ふたりは所在なげに黙ってしまった。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
しばしば手のふり方や、足のふみ方をまちがえて、前後の人を面くらわせ、時には鉢合はちあわせしそうになることもあった。そのたびに、塾生たちは手をたたき、腹をかかえて笑った。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
甲板の上では、しきりに鉢合はちあわせが起こって、いまいましさにどなる声が聞こえた。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と叫んで、照彦様が内から突進したものだから、鉢合はちあわせになった。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)