“鈍帳”の読み方と例文
読み方割合
どんちょう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
早くいえば、かれらの芸は鈍帳どんちょう芝居の客にみせるものであって、大歌舞伎の客に見せるものではないという風にその相場をきめられていた。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
柳盛座は浅草の向う柳原にある小劇場——といっても、いわゆる鈍帳どんちょう芝居の部で、桟敷さじき高土間たかどまがないでもないが、ひら土間の大部分は大入り場で、その木戸銭はただの二銭であった。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その以前は、芝居といえば大芝居すなわち大劇場を意味し、小芝居は道化手踊どうけておどりという名儀で興行していたのであるから、普通には鈍帳どんちょう芝居といやしまれて、ほとんど問題にもされなかったのである。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)