釜殿かまどの)” の例文
配所のあしたは相変らず早い。良人おっとが日課の読経をつとめている間、新妻は、居室を清掃し、釜殿かまどのにまで出て、いそいそ立ち働いていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母屋の中心に、持仏堂じぶつどうもあれば、侍部屋もある。寝所、釜殿かまどの女童部屋めわらべべや奴僕ぬぼくの小屋、殊に目立つのは、うまやのあることである。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、洩らすなど、とにかく下屋しもや釜殿かまどののお末まで、盆と正月がいちどに来たような明け暮れだった。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
柵の内には、畑がある、うまやが見える、釜殿かまどのがある。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)