金鋲きんぴょう)” の例文
金鋲きんぴょうかご銀鞍ぎんあんの馬、躑躅つつじさきたちに出入りする者、ほこりはかれらの上にのみある。隆々りゅうりゅうと東海から八方へ覇翼はよくをのばす徳川家とくがわけの一もん、そのいきおいのすばらしさったらない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金鋲きんぴょう御簾みすづけの絢爛けんらんな三挺櫓ちょうろであるが、暴風雨は公平に、この高貴なご料をも、さんざんに揉み悩ましたものと見えて、紫のまん幕、金襴きんらんぶちの御簾みすまでが、無惨に吹きちぎられていた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)