金石かないわ)” の例文
金石かないわみなと、宮の腰の浜へ上って、北海のたこ烏賊いかはまぐりが、開帳まいりに、ここへ出て来たという、滑稽おかしな昔話がある——
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
金沢から二里離れた金石かないわ町の裁判所出張所に私は勤め、月給八円を貰っていた。
我が愛する詩人の伝記 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
金石かないわ街道の並木にあります叢祠ほこらすがたなぞは、この女神が、真夏の月夜に、近いあたりの瓜畠うりばたけ——甜瓜まくわのです——露の畠へ、十七ばかりの綺麗な娘で涼みに出なすった。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
金石かないわの浜では見られません。桜貝、阿古屋貝あこやがい撫子貝なでしこがい貝寄かいよせの風が桃の花片はなびらとともに吹くなどという事は、竜宮を疑わないものにも、私ども夢のように思われたもので。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とある……金石かないわの港で、すなわち、もとの名みやこしである。
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)