金光こんこう)” の例文
本箱の上に金光こんこう様がまつってある。行水から出て来ると、たらいの水に洗濯物を漬けながら、母は首でもくくりたいと云う。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
何時いつの間にかばったり雨は止んで、金光こんこういかめしく日が現われた。見る/\地面を流るゝ水が止まった。風がさあっと西から吹いて来る。庭の翠松がばら/\としずくを散らす。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
何故なぜですと伺ったら「そりゃそうくさい、おどんが、ぬしいよか詩の出来るごつ、いつでん金光こんこう様にお願いしとるけんくさい。」といわれた。「お蔭があったばい。」とさ。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
丹羽昌仙にわしょうせん蚕婆かいこばばあも、おもわず金光こんこうにじに眼をくらまされて、まぶしげに空をあおいだが、こはいかに、その時すでに、黄金板おうごんばんのゆくえは知れず、ただ見る金毛燦然きんもうさんぜんたる一たか
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この頃は金光こんこう様をしんじんしている、一度かえって来てはどうか、色々話もある。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)