野葡萄えびづる)” の例文
「ほんとに政夫さんの御厄介ですね……そんなにだだを言っては済まないから、ここで待ちましょう。あらア野葡萄えびづるがあった」
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
あけの雨冷えとほる玉の野葡萄えびづるのふたいろの玉は瑠璃よ紫
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
僕は山から採ってきた、あけびや野葡萄えびづるやを沢山座敷じゅうへ並べ立てて、暗に僕がこんな事をして居たから遅くなったのだとの意を示し無言の弁解をやっても何のききめもない。
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
白の牛寝そべるそば野葡萄えびづるの瑠璃いろだま鈴生すゞなりの房
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)