“野放図”の読み方と例文
読み方割合
のほうず100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし、蹄の音がまだ消えるか、消えないうちに、たちまち屈託のない、野放図のほうずな百姓たちの笑い声が、にぎやかに雲のようにきあがる。
南方郵信 (新字新仮名) / 中村地平(著)
これには、さすが野放図のほうずなお悦も、愕然と色を失った。夢ではないかと身内をまさぐっていたほど、それほど三伝の生存は信じられなかった。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「が、わしは清盛でない。清盛には、野放図のほうずもない夢が多すぎた。そのあげくに、あの熱病死。そして一門も壇ノ浦のあわれを見たわさ……」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)