“のほうず”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
野放図69.2%
野方図30.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「が、わしは清盛でない。清盛には、野放図のほうずもない夢が多すぎた。そのあげくに、あの熱病死。そして一門も壇ノ浦のあわれを見たわさ……」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
柿江はガンベを野放図のほうずもない男だと思って、妙なところに敬意のようなものを感じさえした。そしてその日はできるだけさしひかえて神妙にしていた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
野方図のほうずの限りを尽せば尽せるようなものだが、この世の中にも世の外にも、必ず無制限力を制する制限力が、眼に見えたり見えなかったりするところに存するもので、ひとりピグミー風情にだけ
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
わあわっわ……と叫んで、教師の首といわず肩といわず、およそぶら下り触れうるところに噛りつくのであった。よだれと鼻くそと手垢をこすりつけ、なぜかそうして満足し野方図のほうずにはしゃぎまわった。
白い壁 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)