“重井(おもゐ)” の例文
児(じ)を分娩(ぶんべん)すると同時に、又も一(いつ)の苦悶は出で来(きた)りぬ。そは重井(おもゐ)と公然の夫婦ならねば、児(じ)の籍をば如何(いか)にせんとの事なりき。
母となる (新字旧仮名) / 福田英子(著)
下婢(かひ)と書生の三人暮しにていよ/\世間婦人の常道を歩み始めんとの心構(こゝろがま)へなりしに、事実は之に反して、重井(おもゐ)は最初妾(せふ)に誓ひ、将(は)た両親に誓ひしことをも忘れし如く
母となる (新字旧仮名) / 福田英子(著)
此頃より妾(せふ)の容体(ようだい)尋常(たゞ)ならず、日を経るに従ひ胸悪く頻(しき)りに嘔吐(おうど)を催しければ、扨(さて)はと心に悟(さと)る所あり、出京後(しゆつきやうご)重井(おもゐ)に打明(うちあけ)て、郷里なる両親に謀(はか)らんとせしに彼は許さず
母となる (新字旧仮名) / 福田英子(著)