遣直やりなお)” の例文
そのうちに粟生氏が「箙」の切の或る一個所をかれこれ二三十遍も遣直やりなおさせられたと思うと、老顔に浴びるように汗の滝を流しながら、精も気根も尽き果てた体で謡本うたいほんの前に両手を突いて
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
遣直やりなおして肝をんだ。
見ない事もあるが、大抵見る場合が多いのだからその時に要領よく受けて出るので、おくれたり早過ぎたりすると翁がパチパチと張扇を叩いて今一度、一声なり次第なりを繰返しながら遣直やりなおさせる。
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)