連忙いそがわ)” の例文
小脇に弓矢をかかへしまま、側目わきめもふらず走り過ぎんとするに。聴水は連忙いそがわしく呼び止めて、「喃々のうのう、黒衣ぬし待ちたまへ」と、声をかくれば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
黄金丸はまづ聴水を噬みころして、喜ぶこと限りなく、勇気日頃に十倍して、直ちに洞へむかはんと、連忙いそがわしく用意をなし。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
阿駒は苦しき息の下より、「いやとよ。猫にも追はれず、鼬にも襲はれず、わらわ自らかく成りはべり」「さは何故の生害しょうがいぞ」「仔細ぞあらん聞かまほし」ト、また連忙いそがわしくといかくれば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)