逍遥軒しょうようけん)” の例文
ここには古くからある白梅や紅梅がもうほころびかけ、勝頼かつよりは今も、叔父の武田逍遥軒しょうようけんと共に、奥の丸からその梅林のあいだを縫いながら、うぐいすの声をよそに
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「父親は逍遥軒しょうようけんといって、詩も作り歌もよみましたが、私はその方は一向いけません。弟は父親の学問好きをけて、これも四角な字を読んでおりました」
「荘左衛門でございます。四角な字を読むのが好きで、詩とか五とかを作って、逍遥軒しょうようけんと名乗ったそうで——」
小幡、内藤、山県やまがたなどの譜代ふだいをはじめ、逍遥軒しょうようけん孫六、伊奈四郎勝頼かつより、武田上野介こうずけのすけなどいう一族にいたるまで、およそきょうの軍議に列した者は、くびすをついで帰って行った。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
逍遥軒しょうようけんも逍遥軒だ。かりそめにも勝頼の叔父、一族の長老ではないか。戦陣を退いて無断、逃げ退くとはどういう料簡りょうけんか。その他の奴輩やつばらに至っては、ただ不忠忘恩、いうも口のけがれッ……」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武田逍遥軒しょうようけん——武田左馬助——穴山梅雪——馬場美濃守みののかみ——真田信綱のぶつな
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)