追羽子おいはご)” の例文
往来の少い横町へ這入はいると、追羽子おいはごの春めいた音も少しは聞えますが、その群の多くは玄関の書生さんや台所の女中さんたちで
二階から (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ですから『金色夜叉こんじきやしゃ』にあるとおり、道を通る人力車の中に追羽子おいはごの羽子が落ちて、貫一のいいなずけの宮が見そめられるくだりがあるのです。
私の思い出 (新字新仮名) / 柳原白蓮(著)
人は皆竹馬の友を持ってるけれども、梓はかえって手鞠、追羽子おいはごの友を持っていたのである。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
母もわかかった、その娘たちと、毬も突き、追羽子おいはごもした事をうつつのように思出しましたから、それを捜せば、きっと誰か知っているだろう、と気の着いた夜半よなかには、むっくりと起きて
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
羽子はご手鞠てまりもこの頃から。で、追羽子おいはごの音、手鞠の音、唄の声々こえごえ
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)