迷子まひご)” の例文
迷子まひごだからさがしたでせう」と三四郎は矢張り前説を主張した。すると美禰子は、なほ冷やかな調子で
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
今度は女の方から、迷子まひごでも探すやうにして、一層朗かに手を拍つた。
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「矢っ張り場所がわるいんだ」と野々宮がいふ。男は二人ふたりで笑つた。団子坂のうへると、交番の前へ人が黒山くろやまの様にたかつてゐる。迷子まひごはとう/\巡査の手に渡つたのである。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しばらくすると一人ひとり迷子まひごに出逢つた。七つ許りの女の子である。きながら、人のそでしたを右へつたり、左りへ行つたりうろ/\してゐる。御ばあさん、御ばあさんと無暗に云ふ。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)