近衆きんじゅう)” の例文
近衆きんじゅうの人々も侍女こしもとの群もみな左右に居流れるので、広書院はちょうど恰好な桟敷さじきとなる。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
王の昼寝し玉ふときは、近衆きんじゅうみなしりぞけられしが、囈語うわことにマリイといふこと、あまたたびいひたまふを聞きしもありといふ。我母の名もマリイといひき。望なき恋は、王の病を長ぜしにあらずや。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)