輻射熱ふくしゃねつ)” の例文
これは太陽から来る輻射熱ふくしゃねつつかまえて、発電所を作る。そのエネルギーで、温めたり、明るくしたり、物を製造したりする。
遊星植民説 (新字新仮名) / 海野十三(著)
茶の入った大きな湯沸しと、魚煎餅うおせんべいとあんこだまと、二三冊の本を持って。夏でなくとも、晴れて風のない日に海へ出ると、水面からの輻射熱ふくしゃねつで暑い。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
しかし色々やっているうちに、それは手の暖みによる輻射熱ふくしゃねつと手で暖められた空気の対流とによることが分ったので、手袋をはめることによって難なく解決された。
雪雑記 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
手みじかに言えば非情の作用は輻射熱ふくしゃねつに似ている。草木の繁ろうと枯れようと太陽の知ったことではない。太陽はただその軌道を誤りなく運行するだけのはなしだ。
猿股さるまた一枚になって、うららかな太陽の光のあたる縁側にとび出し、ほの温い輻射熱ふくしゃねつを背中一杯にうけて、ウーンと深い呼吸をして、まぶたをとじた。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
夏でなくとも、晴れて風のない日に海へ出ると、水面からの輻射熱ふくしゃねつで暑い。私はパンツにポロシャツを着ただけで、大きな麦藁帽むぎわらぼうをかぶっていた。海へ出るとかいをあげ、舟を流し放しにして本を読む。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)