輪形わがた)” の例文
いつか、一同のまわりには、松明たいまつをあかあかと照らした軍兵ぐんぴょうが五、六十人、ズラリと輪形わがたになって陣列を組んでいた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その輪形わがたは、いつか澄んだあおみを加えて、やがては黄道を覆い、極から極に、天球をはてしなく拡がってゆくのだ。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
天の奧より冠の如き輪形わがたを成せる一の燈火ともしび降りてこの星を卷き、またこれが周圍まはりをめぐれり 九四—九六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ポクポク進んで行くと、行手に数個の人影があって、ぐるりと輪形わがたに突っ立ち、中に一人の人を囲んで棒を持ったり杖を持ったり、そして盛んに啖呵たんかを切って中なる人を脅迫きょうはくしている様子です。
紅白の花がハッキリと輪形わがたになって墓の上の丸い頂きをかこんでいる。
(新字新仮名) / 魯迅(著)