しや)” の例文
釣道具を日本から携へて来られた佐藤さんは、その夕明りの下で草の上にしやがみながら鮒を釣られた。良人の此処で詠んだ歌の中に
お濱さんは居なかつたがおなじ様に鼠色ねずみいろ無地むぢ単衣ひとへを着た盲唖院の唖者をしの男の子が二人、ぬまの岸の熊笹くまさヽが茂つた中にしやがんで、手真似で何か話し乍らうなづき合つて居た。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)