蹈込ふんご)” の例文
何かは堪らむ避くる間足らず左の耳を殺ぎ落され肩先少し切り割かれしが、仕損じたりと又蹈込ふんごんで打つを逃げつゝ、抛げ付くる釘箱才槌墨壺矩尺かねざし利器えものの無さに防ぐ術なく
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「ええ華族様は気の長いもんだ。」「素直に待ってちゃあらちが明かねえ。」「蹈込ふんごめ。」と土足のまま無体に推込おしこむ、座敷の入口、家令と家扶はたすき綾取あやどり、はかま股立ももだち掻取かいとりて
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)