ひざまづ)” の例文
朝に水をかひ、夕に虫をはらふて、しかして、一年なれ、二年なれ、しかる後に静かに其花前にひざまづいて、思へよ、恥ぢよ、悔いよ。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ここに於てか、征馬鉄蹄せいばてつていに世界を蹂躪じうりんし、大名たいめい長く青史せいしを照せる一世の雄傑アレキサンドルも、つひに一語の発すべきなく、静かにひざまづいて彼のあかづける手をり、慇懃いんぎんに其無礼を謝したりと云ふ。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)