起抜おきぬ)” の例文
今朝、寺のかけひの水で、起抜おきぬけに顔を洗うときから、善鬼のおもてには、夜来の感情がすこしもぬぐわれていないのみか、むしろ、そそ毛立っているような凄気せいきをすら——典膳は、ひそかに見ていた。
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)