赤城山あかぎさん)” の例文
それにあの眺望——濶々ひろ/″\としたあの谷と山との眺め、雲の眺め、赤城山あかぎさんの大きな姿を前にした形は、家庭の煩瑣にのみ精神を疲らせられた細君達に取つて
女の温泉 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
汽車は赤城山あかぎさんをそのたつみの窓に望んで、広漠たる原野の末を貫いていたのであった。——
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
赤城山あかぎさんへも左のみ遠くありませんから、ガラ/\/\と雷が烈しく鳴って参り、二三ヶ所へ落雷致しましたので立つ事も出来ず、ぐず/\して居ますうちに、午後の四時半時分に成ると
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
が、遺憾ゐかんながら伊香保へは、高等学校時代に友だちと二人ふたりで、赤城山あかぎさん妙義山めうぎさんへ登つたついでに、ちよいと一晩泊つた事があるだけなんだから、麗々れいれいしく書いて御眼おめにかける程の事は何もない。
忘れられぬ印象 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
赤城山あかぎさんなア、山火事だんべい」
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)