賭弓のりゆみ)” の例文
朝廷や京都の大きな御社おやしろにも、中世以前からこれとよく似た賭弓のりゆみ御式おしきがあって射手いては右左に分れて勝負を競うほかに、おのおの一方の声援者があり
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
宮中の賭弓のりゆみ、内宴などが終わるとおひまになって、一月の除目じもくなどという普通人の夢中になって奔走してまわることには何のかかわりもお持ちにならないのであるから
源氏物語:53 浮舟 (新字新仮名) / 紫式部(著)
賭弓のりゆみに、わななく/\久しうありて、はづしたる矢の、もて離れてことかたへ行きたる。
あさましきもの (新字新仮名) / 太宰治(著)
兵部卿ひょうぶきょうの宮は左大臣家の賭弓のりゆみの二次会、相撲の時の宴会などには出席されたことを思って、第一の貴賓として右大臣は御招待申し上げたのであったが、おいでにならなかった。
源氏物語:46 竹河 (新字新仮名) / 紫式部(著)