資金かね)” の例文
資金かねに詰まって友達の生胆いきぎもを売って大間違いを仕出かしたのを幕切ちょんにして、立派にやめてしまいましたが
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
東京の成金は、資金かねが出来ると、誰に勧められたともなく、直ぐ茶器を集めにかゝる。そして文琳ぶんりんの茶入とか嫰古のんこの黒茶碗とかに大金を投げ出して、それを手に入れる。
彼がわずかに二十一歳の青年をもって弁護士試験に及第するや、彼の叔父が骨身惜しまずかせぎためておいた数百ポンドの資金かねは、この時までに彼の学費のためすべて消費し尽くされ
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)