讖言しんげん)” の例文
それはどういうことかといいますのに、チベットでは新教派のある昔のラマが拵えた書物の中に予言すなわち未来の讖言しんげんがあるです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
目前まのあたり鯉魚りぎょ神異しんいを見た、怪しき僧の暗示と讖言しんげんを信じたのであるから、今にも一片の雲は法衣のそでのやうに白山のまゆひるがえるであらうと信じて、須叟しばしを待つ
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
お増は小林などの讖言しんげんが、とうとう自分の身のうえに当って来たように信ぜられてならなかった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
友仁は家へ帰って、妻子に発跡司の判官の讖言しんげんのことを話して喜んでいた。
富貴発跡司志 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
未来の大王 その讖言しんげんによって来るところをたずぬると、今より二千年以降一千二、三百年までの間において、カシミール地方は大変仏教が盛んであった。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
目前まのあたり鯉魚りぎょの神異を見た、怪しき僧の暗示と讖言しんげんを信じたのであるから、今にも一片の雲は法衣の袖のように白山の眉に飜るであろうと信じて、しばしを待つ
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
誠にありがたい事は、こういう讖言しんげんがあったために今日チベット新教派の開山ジェ・ゾンカーワの生れて居るその国を知り、そのお方を知ることが出来たのは結構な訳である。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)