論判ろッぱん)” の例文
二階の論判ろッぱん一時ひとときに余りけるほどに、雷様の時の用心の線香をふんとさせ、居間からあらわれたのはお蔦で、もぐさはないが、禁厭まじないは心ゆかし、片手に煙草を一撮ひとつまみ。抜足で玄関へ出て、礼之進の靴の中へ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)