誘拐者ゆうかいしゃ)” の例文
誘拐者ゆうかいしゃなんぞが、危急を訴えんがために、万一を頼んでやった仕事か、いずれにしても、この罎の中には、何かの合図があるに相違ない
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
夜、やみの中を跳梁ちょうりょうするリル、そのめすのリリツ、疫病えきびょうをふりくナムタル、死者の霊エティンム、誘拐者ゆうかいしゃラバスなど、数知れぬ悪霊あくりょう共がアッシリヤの空にち満ちている。
文字禍 (新字新仮名) / 中島敦(著)
博士は、病院から連れだされるとまもなく、この誘拐者ゆうかいしゃがX号であることを知って、おどろいた。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
茂太郎が容易に浮いた色を見せないのは、ここの家では誰もが弁信をよく思っていないのみならず、誘拐者ゆうかいしゃとしてにくんでいることを知っているからです。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)