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誑惑
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きょうわく
ふりがな文庫
“
誑惑
(
きょうわく
)” の例文
他力易行と教えて来たが、思いに
勝
(
ま
)
さる事実の応験。愛慾泥裏の
誑惑
(
きょうわく
)
の男と女がそのままに、登る仏果の安養浄土、恐ろしき法力ではあるなあ。
取返し物語
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
元箱根村より箱根町の間は、樹木茂りて昼もなお暗きほどなるが、そのころここに
悪
(
あ
)
しき狐が住んでいて、日の暮れた後に通行人を
誑惑
(
きょうわく
)
するという評判があった。
おばけの正体
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
古来その中に
老狐
(
ろうこ
)
住すと伝え、その傍らを通過せるもの往々
誑惑
(
きょうわく
)
せられて、家に帰らざることがある。
おばけの正体
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
早く妻に
訣
(
わか
)
れてからは、異性には全然関心を持たなかつた。それは彼の最も世の中で価値ありとする品とか気位とか
悧巧
(
りこう
)
とかを
誑惑
(
きょうわく
)
する
魔性
(
ましょう
)
のものに
外
(
ほか
)
ならなかつた。
過去世
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
かかる迷信教が行われ、妄説、詐術をもって愚民を
誑惑
(
きょうわく
)
するため、愚民はますます迷信に迷信を重ぬるに至り、教育、道徳の進路を妨げ、社会に害毒を流すようになるを免れぬ。
おばけの正体
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
▼ もっと見る
まず物理的方面にては、狐狸その体に、果たしてよく人を
誑惑
(
きょうわく
)
し得る知能ありやいかんを探り、またその挙動に、果たして怪しむべきところありやいかんを知ることが必要である。
迷信解
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
その意義、
茫然
(
ぼうぜん
)
として一定し難し。あるいは曰く、「幽霊すなわち妖怪なり」と。あるいは曰く、「
天狗
(
てんぐ
)
すなわち妖怪なり」と。あるいは曰く、「
狐狸
(
こり
)
の人を
誑惑
(
きょうわく
)
する、これ妖怪なり」
妖怪学講義:02 緒言
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
これに乗じてますます愚民を
誑惑
(
きょうわく
)
して私利を営まんとするものあらんことを恐れ、当時諸方の通信を請うて、ことさらこの一事を捜索検討し、自宅においても前後数回、試験を施したることありき。
妖怪学
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
誑
漢検1級
部首:⾔
14画
惑
常用漢字
中学
部首:⼼
12画
“誑惑”で始まる語句
誑惑癖