詐偽師さぎし)” の例文
旧字:詐僞師
詐偽師さぎしの手から良民へ金を取り返して呉れるのは感心したが、頭の批評なんか余計なお世話じゃないか。実際失敬な奴だよ
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「東郷大将が大和魂をっている。肴屋さかなやの銀さんも大和魂を有っている。詐偽師さぎし山師やまし、人殺しも大和魂を有っている」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
予の梅花を見るごとに、文人趣味をび起さるるは既に述べし所の如し。然れどもみだりに予を以て所謂いはゆる文人とすことなかれ。予を以て詐偽師さぎしみなすは可なり。謀殺犯人と做すは可なり。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「その詐偽師さぎしは美容術もやっていますよ。あれなら白粉を塗る丈けですから、念晴ねんばらしにかかって御覧なさい」
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
森の鳥は即座に騒ぎ立つて、一度にこの詐偽師さぎしを突き殺してしまつた。
翻訳小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「美眼術も矢張り詐偽師さぎしでしょうか?」
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)