言霊コトダマ)” の例文
旧字:言靈
河内瓢箪山へ辻占問ひに往く人は、堤の下や稲むらの蔭に潜んで、道行く人の言ひ棄てる言草に籠る、百千の言霊コトダマを読まうとする。
稲むらの蔭にて (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
呪詞を伝承して暗記させてゐる間に、其主君の皇女・皇子たちに呪詞の含むところの言霊コトダマが作用して、呪詞の儘の力を持つ人とならしめるものと考へた。
さて、言霊コトダマのさきはふと言ふのは、其活動が対象物に向けて、不思議な力を発揮することである。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
昔は、言葉によつて、物事が変化する、と言ふ言霊コトダマの信仰をもつてゐた。
古代人の思考の基礎 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
我が国には古く、言霊コトダマの信仰があるが、従来の解釈の様に、断篇的の言葉に言霊が存在する、と見るのは後世的であつて、古くは、言霊を以て、呪詞の中に潜在する精霊である、と解したのである。
神道に現れた民族論理 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
此信仰が展開して、言霊コトダマ信仰が現れて来ることになる。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)