言葉尻ことばじり)” の例文
「僕、おかあさんに対する感情の負担だけでも当分一人前はたっぷりあるんだからなあ」むす子は言葉尻ことばじりを独り言のようにいってのけた。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
言葉尻ことばじりに力を入れて強請ねだるようにするその母親のない子供の声は、求めても求めても得られないものを求めようとしているかのように岸本の耳にこたえた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しかるにかかる者の語の言葉尻ことばじりを捉えて是非の批判を下すは何のろうぞと責めたのである。友人らはヨブの言語の表面の意味のみを見てその誤謬ごびゅうをたださんとする。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
けれども、小学校の先生は彼の「言葉尻ことばじりなまり」に気がついた。彼は旅客への勘定書を書くことに妙を得ていた。けれども、なれた目で見ると往々つづりの誤りが見い出された。