角柱すみばしら)” の例文
崖の山藤が這い伸びて、欄の角柱すみばしらからひさしに花のすだれを見せ、そのつよい匂いに飽いた蜂が、時折、母子ふたりの机をおびやかした。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新吉は踏んでいる床が左右に揺れたかと思って角柱すみばしらへ背なかを寄せたが、その入口に、いつの間にかお久良が来て立っていた。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みると周馬の左の手が、いつのまにか、部屋の角柱すみばしらに伸びていて、そこにあるかぎのようなものへ指をかけている。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女は、角柱すみばしらへ立ってゆく。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)