観客かんかく)” の例文
飛離とびはなれて面白いでもなくそろへどもほかの事の仕方しかたがないにくらべそろへばいくらか面白かりしものと存候ぞんじそろたゞ其頃そのころ小生せうせいの一致候いたしそろ萬場ばんじやう観客かんかくの面白げなるべきにかゝわらず
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
不思議な光景ようすは、美しき女が、針のさきで怪しき魔を操る、舞台における、神秘なる場面にも見えた。茶店の娘とその父は、感に堪えた観客かんかくのごとく、呼吸いきを殺して固唾かたずを飲んだ。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)