装立いでた)” の例文
やがて清盛は、赤地錦あかじにしき直垂ひたたれに、黒糸縅くろいとおどしの腹巻、白金物しろかなもの打った胸板むないたを着け、愛用の小長刀こなぎなたをかいばさんだ物々しい装立いでたちで、側近の貞能を呼びつけた。
起き上がって薙刀なぎなたを拾った時、次の間のふすまがサッと開いた。甲斐甲斐しく装立いでたった近侍の者、三人、五人、七人、十人ずつ——得物を取って続々と八方へ駈け散ってゆく。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)