“被居（いらっしゃ）” の例文
「何でそう私の顔を見て被居（いらっしゃ）るの？」と彼女は云った。「御気分でもお悪いの？　お疲れなすったのでしょう。お眠りになれて？　ぐっすりお眠りなさるといいわ。」
愚かな一日 (新字新仮名) ／ 豊島与志雄(著)
なさって被居（いらっしゃ）るんじゃないかと思ったもんですから、一寸お尋ねして見たいと思った丈けなんです
偽刑事 (新字新仮名) ／ 川田功(著)
「実に今日の景清は上々の出来でした。貴方はきっと面（おもて）の裏では泣いて被居（いらっしゃ）ったのでしょう」
日記：10 一九二四年（大正十三年） (新字新仮名) ／ 宮本百合子(著)
「種田さんは被居（いらっしゃ）るでしょうか」
天狗岩の殺人魔 (新字新仮名) ／ 山本周五郎(著)
「奥様は只今手が汚れて被居（いらっしゃ）いますから。」と彼女は云った。
愚かな一日 (新字新仮名) ／ 豊島与志雄(著)
「中村さんが来て被居（いらっしゃ）るの」
日記：09 一九二三年（大正十二年） (新字新仮名) ／ 宮本百合子(著)