蚊触かぶれ)” の例文
ポチとそこに何かできている。“蚊触かぶれ”という病名があった。医師たちはこの発見をすぐそれに附してかぶれの練薬ねりぐすりを塗布して容体の変化をみていた。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
事実、師直は、天龍寺落慶らっけいの翌年の夏、二ヵ月ほど寝こんで出仕しゅっしも欠いた。病名は“蚊触かぶれ”だとある。蚊触とはつまり発疹はっしんのことらしい。「園太暦えんたいりゃく」では瘡疾そうしつかかったのだと書いている。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)