蘇我入鹿そがのいるか)” の例文
……その後この書は我が朝に渡り、神代を経て奈良朝となり、蘇我入鹿そがのいるかが手に入れたため、大不敬罪をさえ犯そうとした。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
太子薨去こうきょの後、御遺族は悉く蘇我入鹿そがのいるかのため滅ぼされ、斑鳩宮もむろん灰燼かいじんに帰したのであるが、およそ百年後の奈良朝にいたって再建された夢殿が
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
多武峰とうのみねという山と背くらべをしているように見えますが、その多武峰には昔から、藤原鎌足ふじわらのかまたりを祀っておりますゆえに、高見山の方には蘇我入鹿そがのいるかが祀ってあるというようになりました。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
蘇我入鹿そがのいるかです」
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
この九十年間には蘇我入鹿そがのいるかの専断と横死あり、ついで中大兄皇子なかのおおえのおうじ鎌足かまたりによる大化改新の断行、わが国礎の漸く定ると思われた間もなく、壬申じんしんの大乱が起るといったように
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
あやという姓が示しているとおり、これの祖先は漢土の帰化人で、その主長の一人には、飛鳥朝の大立て者、蘇我入鹿そがのいるかと結託し、わが国の朝野に大勢力をふるった、有名な漢直あやあたいがある。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)