藩閥はんばつ)” の例文
明治維新の大業が藩閥はんばつとか政党閥によってゆがめられ、あげくの果が軍閥の暴挙となって今日の事態をまねくに至った。
咢堂小論 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
なかなかその困難は、藩閥はんばつ内閣を打ちこぼつよりは一層むつかしかろうと思います。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
薩長藩閥はんばつたゝかつて十四年に政府を退き、改進党の評議員となつて、自由民権を唱へなすつた名誉の歴史を、何と御覧なさるでせう、——其れがどうです、藩閥政府の未路の奴等に阿媚あびして
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
であるからもし武人のままで押通したならば、すくなくとも藩閥はんばつの力で今日こんにちは人にも知られた将軍になっていたかもしれない。が、彼は維新の戦争から帰るとすぐ「農」の一字に隠れてしまった。
非凡なる凡人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)