薩摩隼人さつまはやと)” の例文
草賊輩そうぞくばらをけしかけて、詭計をもって討とうとは、あくまで卑怯な伊集院。薩摩隼人さつまはやとと云われるか! 尋常に来い、恥を知れ! さあ二人だ、もう遁がさぬ!」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
干渉は実に京都から来た。しかも数百名の薩摩隼人さつまはやとを引率する島津久光を背景にして迫って来た。この干渉は幕府にある上のものにも下のものにも強い衝動を与えた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
三百人の気の早い薩摩隼人さつまはやとが、支那人に見られまいとして、半年余の間、今帰仁なきじん城間ぐすくまに潜んでいたという事実をお聞きになったら、なるほどとうなずかれるでありましょう。
琉球史の趨勢 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
しかし士気は斗牛とぎゅうを呑む! 薩摩隼人さつまはやとの精鋭じゃ! 嘘と思わばかかってござれ! 真ん中を襲わば左右の翼、瞬間に畳んで引っ包む! 島津の兵法羚釵懸れいさがかり
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
島津轡しまづぐつわの旗を先頭にして、太鼓の音に歩調を合わせながら、西から街道を進んで来る人たちの声だ。こころみに、この新作の軍歌が薩摩隼人さつまはやとの群れによって歌われることを想像して見るがいい。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)