蕙斎けいさい)” の例文
告別の為に内藤とロダン翁をうて、翁の手紙を受取つた大阪の水落露石みづおちろせきの伝言など述べ、露石から託された蕙斎けいさい漫画集を呈した。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
○広重の『草筆画譜』といふものを見るに蕙斎けいさいの蕙斎略画式の斬新ざんしんなのには及ばないが、しかし一体によく出来て居る。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
浮世絵を好む人は蕙斎けいさいや北斎等の描ける摺物すりものに江戸特種の菓子野菜果実等の好画図あるを知っているであろう。
砂糖 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
これは上下二巻で、千八百六十三年、ニユウヨオクのハアバア書肆しよしから出てゐる。揷絵さしゑ沢山たくさんあり、その中にはまた、蕙斎けいさいの漫画などを複製したものも沢山たくさんある。
日本の女 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
翁は画集を喜んでしばらくわんを放たずに眺め込み、蕙斎けいさいの略伝を問うたのち、日本人の名は覚えにくいからと云つて画集のすゑに作者と水落君との名を記す事を望まれた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)