蒼顔そうがん)” の例文
旧字:蒼顏
「何処をやられたのです」と訊ねると、「ひざじゃ」とそこを押えながらしわの多い蒼顔そうがんゆがめる。
夏の花 (新字新仮名) / 原民喜(著)
刀痕とうこんの深い左膳の蒼顔そうがん、はや生き血の香をかぐもののごとく、ニッと白い歯を見せた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
あるいははさみひげをつんでいる、あの金髪きんぱつ蒼顔そうがんなる若い学生、彼ら両者をとらえて、義務の息吹いぶきを少し吹き込み、ブーシュラー四つつじやプランシュ・ミブレー袋町で向かい合って立たしめ
げに彼はまさに死なんとする蒼顔そうがんの勇蔵を呼び起してび、恐るべく変りし阿園に向いて悔い、いかめしき里方の父にいかに懺悔の端を開くべきか、打ち沈めるその母をいかに慰藉すべきか
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)