“蒸炉(むしろ)” の例文
蒸炉(むしろ)の焚口(たきぐち)に櫨滓(はぜかす)を放りこんだり、蝋油の固まったのを鉢からおこしたり、干場一面の真っ白な蝋粉に杉葉で打水をしたりする男衆や女衆にまじって、覚束(おぼつか)ない手伝いをするのも
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
蝋(ろう)小屋の蒸炉(むしろ)には、火がごうごうと燃えていた。従兄弟たちは、そのまえに行くと、めいめいに火掻(かき)や棒ぎれをにぎって、さきを争うように、炉口(ろぐち)にうずたかくなっている蝋灰をかきおこしはじめた。
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)