ごも)” の例文
あらごもをきせて河岸の柳の下に横たえてある男の水死人はたしかに藤吉に相違ないので、附き添いの人々も今更におどろいた。お徳は声をあげて泣き出した。
半七捕物帳:44 むらさき鯉 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そのうちに中の一人が、何気なくうしろを振向いた時、はッと驚いたというのは、自分達が背中を向けている垂れごもの間から、鋭い白眼が、じッと、この連中に射向けられていたことであります。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こもは元の様に、一枚の捨てごもに過ぎなかった。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)