華雲殿げうんでん)” の例文
いつか、華雲殿げうんでんの廻廊には、り燈籠が星をつらね、内は無数の銀燭ぎんしょくにかがやいて、柳営お抱え役者の“田楽十番”もいま終った。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のみならず、彼がよろめきを立ち直さぬ間に、その五体は、華雲殿げうんでんの真ン中へ、でんと、屋鳴りするほど投げつけられていたのだった。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なぜか、それまでは、華雲殿げうんでんのらちゃくちゃない騒動もくるめて、柳営はこれを、秘していた。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それよ、その若夫婦を、祝うてくりょうと、華雲殿げうんでんに招いてやったこともある。……ところが這奴しゃつめ、大酒に食べ酔うて、田楽でんがくどもの烏天狗からすてんぐの姿を借り、この高時をしたたかな目にあわせおった。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
華雲殿げうんでん棟木むなぎをゆすり
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)