菊亭家きくていけ)” の例文
若君わかぎみはもうお忘れでございましょうが、去年きょねん、お父上ちちうえ勝頼かつよりさまに僧侶そうりょをおしたいなされて菊亭家きくていけへおしあそばしたことを」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのわけは、菊亭家きくていけと、武田たけだ祖先そせんとは、縁戚えんせきのあいだがら。のみならず、勝頼の祖父信虎のぶとらとは、ことに親密しんみつであったよしを、耳にいたしました。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、けわたった菊亭家きくていけ裏門うらもんのあたりから、築土ついじをこえて、ヒラリと屋敷やしきのなかへしのびこんだ三つの人かげがある。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)