荒猪あらじし)” の例文
たちまち朱筆の一棒をくらうだけで、気の吐きどころのない、ぐうを負う虎、壁裏の蝙蝠こうもり穴籠あなごもりの熊か、中には瓜子うりこという可憐なのも、気ばかり手負の荒猪あらじしだろう。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)